更年期になると、髪の細さや抜け毛、薄毛が気になり、お手入れの仕方に悩む方は多くいます。トリートメントが重要だと知っていても、正しい使い方を知らないと効果を発揮できません。この記事では、トリートメントの基礎知識や効果的な使い方、注意点について解説します。
記事を読むと、トリートメントの正しい使用方法が理解できるため、髪のハリやコシが改善します。正しい髪のケア方法を学び、自分の髪に自信を持ちましょう。
トリートメントを使う前に知っておきたい基礎知識

トリートメントを使う前に知っておきたい基礎知識は、以下のとおりです。
- トリートメントとコンディショナー・リンスの違い
- トリートメントの効果と必要性
トリートメントとコンディショナー・リンスの違い
髪のケアには「トリートメント」と「コンディショナー・リンス」がありますが、それぞれ目的が異なります。トリートメントは、髪の内部に栄養を届けてダメージを修復します。補修成分をしっかりと浸透させるため、数分間放置しなければなりません。
一方、コンディショナー・リンスは、髪の表面をコーティングして整えて保護します。トリートメントは週1~2回、コンディショナー・リンスは毎日のケアと使い分けをすると、髪の健康を保てます。
トリートメントの効果と必要性
髪の乾燥やダメージが気になる方は、トリートメントが効果的です。更年期になると、ホルモンの影響で髪が細くなったり、パサついたりします。傷んだキューティクルは髪の水分や栄養を維持できないため、トリートメントでのケアが欠かせません。トリートメントを定期的に使用すると、以下の効果が得られます。
- 髪の内部に栄養が届く
- 乾燥や静電気を防ぐ
- 紫外線や熱から髪を守る
- 髪の絡まりを防ぐ
トリートメントを使用すると、髪のハリやコシが良くなるので、見た目の印象も変わります。トリートメントは、カラーやパーマなどでダメージが気になる方にもおすすめです。
洗い流すタイプのトリートメントの使い方

洗い流すタイプのトリートメントの使い方の手順は、以下のとおりです。
- シャンプー後に髪をしっかりとすすぐ
- 髪の水気をタオルで取る
- 適量を毛先から髪の中間にかけてなじませる
- 目の粗いくしでとかす
- 浸透させるために3~5分間放置する
- しっかりと洗い流す
シャンプー後に髪をしっかりとすすぐ
トリートメントの前にシャンプーをしっかりと流すことが重要です。シャンプーが髪に残っていると、トリートメントが髪に浸透しにくくなります。更年期になると髪がデリケートになるため、すすぎ残しがあると頭皮のトラブルや抜け毛の原因になります。すすぎは、38℃前後のぬるま湯で30秒以上しましょう。
洗う際は、指の腹で優しくマッサージするように頭頂部から襟足まで丁寧にすすぎます。強くこすると、髪を傷めるため注意してください。洗うときは最後に冷水で軽く流すと、毛穴が引き締まるため、トリートメントの浸透効果が良くなります。
» シャンプーの正しいやり方を髪質別に解説!
髪の水気をタオルで取る

濡れた髪は傷みやすい状態です。洗った後はタオルで髪を包み込むようにして、優しく水気を取ります。髪の毛を強くこすると、枝毛や切れ毛の原因になるため注意してください。水気が多い状態では、トリートメントが薄まり効果が下がりますが、水気を取りすぎると乾燥の原因になります。
更年期の髪は、乾きやすいため注意しましょう。マイクロファイバーのタオルは、髪への摩擦が少なく、水分を良く吸収するため、おすすめです。
洗い終わった際は、適度に水気を取るとトリートメントの浸透率が高まり、髪の毛の手触りやツヤが良くなります。
適量を毛先から髪の中間にかけてなじませる
トリートメントは、毛先から髪の中間に向けてなじませます。更年期の髪は細く傷みやすいため、以下のポイントを意識して使用しましょう。
- 毛先に多めに塗る
- 指を広げてすくい上げるように塗る
- 髪をこすらず、優しく塗る
- チリつきやすい部分は丁寧に塗る
トリートメントは少量から使用し、足りなければ追加しましょう。髪の表面を薄くコーティングするイメージでなじませます。力を入れすぎると抜け毛の原因になるため、注意してください。
目の粗いくしでとかす

トリートメント後は、目の粗いくしでとかします。髪をとかすと、髪全体にトリートメントの成分が均一になじみます。くしでとかす際は、毛先から髪の中間まで行いましょう。髪の根元までする必要はありません。髪を少しずつ分けてとかし、下から上にとかします。
木製や炭素繊維のくしは、静電気が発生しにくく、髪へのダメージを減らせます。更年期の髪は、細く弱っているため、優しくとかしましょう。目の細かいくしは、髪が引っかかりやすく、ダメージを与えるため、使用しないでください。
浸透させるために3~5分間放置する
トリートメントは塗った後、3~5分放置します。髪の毛は放置すると、トリートメントの有効成分が髪の内部まで浸透し、髪の毛が補修されます。髪はすぐに洗い流すと、成分が表面にしか残らないため、効果が出ません。使用するトリートメントの商品説明を確認し、放置時間を守りましょう。
しっかりと洗い流す

ぬるま湯でしっかりとトリートメントを流しましょう。洗い残しがあると、頭皮のかゆみやフケ、ベタつきの原因になります。根元にトリートメントが残ると、ボリュームがなくなり、薄毛や細毛が目立ちやすくなるため注意してください。洗い流す際の注意点は、以下のとおりです。
- ぬるま湯で30秒以上流す
- 頭頂部や耳周り、襟足は丁寧に流す
- 髪を上下に分けて流す
- シャワーヘッドを動かし、毛先まで流す
更年期は頭皮が敏感になっている場合が多いので、丁寧に洗い流しましょう。
洗い流さないタイプのトリートメントの使い方

洗い流さないタイプのトリートメントの使い方の手順は、以下のとおりです。
- タオルドライで髪の水気を取る
- 毛先から順になじませる
- くしで均一になじませる
- ドライヤーで髪を乾かす
タオルドライで髪の水気を取る
洗い流さないトリートメントは、タオルドライが欠かせません。タオルドライで水気を取る際は、髪をこすらずに優しく押さえるようにして、毛先から根元に向かって拭きます。水気を取りたい場合はマイクロファイバータオルは吸収率が高いため、おすすめです。
洗い流さないトリートメントは「少し湿り気がある状態」で使用します。トリートメントがムラになりやすいため、髪の毛の乾かしすぎに注意してください。
» 髪へのダメージを減らす!正しいタオルドライのやり方を解説
毛先から順になじませる

洗い流さないトリートメントは、塗り方が重要です。トリートメントは手のひらで軽く温めてから使用しましょう。毛先から塗り、徐々に中間部分へ広げます。毛先約1cmにしっかりなじませると、乾燥しやすい部分を補修できます。髪が広がりやすい方やパサつきやすい方は、保湿力の高いトリートメントがおすすめです。
くしで均一になじませる
指だけでなじませるとムラが出やすいため、くしを使用しましょう。くしを使用すると、トリートメントの浸透性が高まります。目が粗く、静電気が起きにくい木製や炭素繊維のくしがおすすめです。トリートメントを均一になじませるポイントは、以下のとおりです。
- 毛先から根元に向かってとかす
- トリートメントが多い部分は、分散させる
- 絡まりやすい部分は優しく整える
- 髪を引っ張らないようにする
仕上げに、指で軽くなじませると整いやすくなります。
ドライヤーで髪を乾かす

良い髪質を維持するためには、ドライヤーの使い方も重要です。髪を乾かす前にヒートプロテクト剤を使用して、熱による傷みを防ぎましょう。ドライヤーは、髪から10~15cm程度離して、根元から毛先に向かって風を当てます。
髪は引っ張らずに優しく乾かします。ドライヤーの温風による熱のダメージを軽減させるため、冷風も使用しましょう。細い髪の方は、高温や強風は避けて、低温で時間をかけて乾かしてください。薄毛が気になる部分は根元を持ち上げて風を当てると、ボリューム感を出せます。
湿った状態で放置すると、髪が広がったり、うねりの原因になったりするため、しっかり乾かすことが重要です。ドライヤーの仕上げに冷風を当てると、髪にツヤが出て見た目も整います。
» 更年期世代必見!ドライヤーでの正しい髪の乾かし方
トリートメントの効果を最大限に引き出す使い方

トリートメントの効果を上げる使い方は、以下のとおりです。
- 蒸しタオルやラップを使って浸透力をアップさせる
- ダメージがひどい部分に重ね塗りする
- 他のヘアケア製品と併用する
- 季節や髪の状態によって使い分ける
蒸しタオルやラップを使って浸透力をアップさせる
髪の毛は、蒸しタオルやラップを使うと、トリートメントの浸透力がアップします。熱でキューティクルが開きやすくなり、髪の内部までトリートメントの成分が届くためです。トリートメントを使用した後に、蒸しタオルやラップで髪全体を優しく包み込み、熱が逃げないようにしましょう。
乾燥した髪に水分を補うことでコシやツヤが戻りやすくなるため、更年期の髪質変化に悩む方におすすめです。実施頻度は週1~2回程度、時間は3~5分程度が目安です。乾燥しやすい冬場や髪の傷みが気になったときに行ってください。
注意点は、温めすぎると髪に傷みを与えてしまうことです。触って心地よい温かさのタオルを使用しましょう。
ダメージがひどい部分に重ね塗りする

髪の傷みがひどい部分には、トリートメントの重ね塗りが効果的です。髪の毛は、傷みが目立つ部分に重ね塗りすると、補修力が高まります。重ね塗りすると効果的な部分は、以下のとおりです。
- パサついた毛先
- チリついた部分
- 細く弱った部分
- 乾燥して硬くなった部分
- カラーやパーマで傷んだ部分
トリートメントは、髪を数か所に分けて重ね塗りすると、ムラなく成分が行き渡ります。重ね塗りした部分は、通常よりも1~2分間長く放置します。髪質変化で細くなった部位やパサつきの目立つ箇所は丁寧に塗ってください。
他のヘアケア製品と併用する
トリートメントの効果は、他のヘアケア製品と併用すると高まります。髪と頭皮を同時にケアできる製品を選ぶと、さらに効果的です。薄毛や抜け毛など更年期世代の髪の悩みには、スカルプケア製品(※)とトリートメントの併用がおすすめです。
髪の傷みが気になる場合は、アミノ酸系のシャンプーとタンパク質配合のトリートメントを併用します。トリートメント後は、ヘアオイルやミルク、UVカット効果のあるヘアスプレーやヘアパックなどのアイテムを使用しましょう。
» 朝夜で違う!ヘアオイルの役割と使い方を解説
※ スカルプケア製品とは、頭皮の健康を維持するためのシャンプーやケア用品を指します。
季節や髪の状態によって使い分ける

トリートメントは、季節や髪の状態によって使い分けると効果が高まります。春から夏にかけては、UVカット成分が配合されたトリートメントがおすすめです。春から夏は紫外線によるダメージが増え、日焼けでパサついたり、色が抜けやすくなったりするからです。
梅雨は湿気で髪が広がりやすくなります。保湿よりも、表面をしっかりコーティングするタイプのトリートメントがおすすめです。冬は空気が乾燥し、髪の水分が減るため、保湿力の高いしっとりタイプのトリートメントが向いています。
トリートメントを選ぶ際は季節だけではなく、髪の状態に合わせた選び方も重要です。カラーやパーマ直後は、アミノ酸配合のダメージケア用のトリートメントを使用すると、髪の回復が早まります。細い髪の方は、軽めのトリートメントを選びましょう。
重たいトリートメントを使用すると、髪の毛のボリュームがダウンします。抜け毛が気になる時期は、頭皮ケア成分が入ったトリートメントを使用してください。
» 女性の1日に抜ける髪の本数と抜け毛の対策法を解説
トリートメントを使うときの注意点

トリートメントを使うときの注意点は、以下のとおりです。
- 頭皮には付けないようにする
- 使用頻度と量を守る
- 10分以上放置しない
頭皮には付けないようにする
トリートメントは頭皮につけないようにしてください。トリートメントが頭皮につくと、髪の補修成分が毛穴を詰まらせる可能性があります。毛穴の詰まりは、薄毛や抜け毛の原因になるため注意しましょう。更年期の頭皮は敏感になっているため、かゆみやフケ、炎症などのトラブルも起きやすくなります。
» 頭皮の毛穴の詰まりの原因とケア方法
使用頻度と量を守る

トリートメントの使用頻度は、週2~3回が基本です。頻度が多くなると、髪に負担がかかったり、べたついたりします。更年期で髪の乾燥が気になる場合は、1回程度使用頻度を増やしても問題ありません。使用量は、髪の長さによって変わります。一般的な使用量は以下のとおりです。
髪の長さ | ポンプタイプ | チューブタイプ |
ショート | 半プッシュ~1プッシュ | 1円玉大 |
ミディアム | 1~1.5プッシュ | 10円玉大 |
ロング | 1.5~2プッシュ | 500円玉大 |
トリートメントの量は、髪の状態や季節によって、自分に合う量を調整しましょう。
10分以上放置しない
トリートメントは10分以上放置しないでください。長く置いても効果は上がりません。10分以上放置すると、頭皮や髪のトラブルにつながります。更年期は頭皮が敏感であるため、より注意が必要です。多くの製品は3~5分で効果が出るように作られています。
トリートメントを使用する前に製品の使用時間を確認し、守ってください。時間を正確に知りたい方は、防水時計やタイマーを使用しましょう。
まとめ

更年期に感じる薄毛や細毛、髪のパサつきの改善には、トリートメントによるケアが有効です。髪表面を整えるコンディショナー・リンスとは異なり、トリートメントには髪内部に栄養を与えて、傷みを補修する効果があります。
洗い流すタイプのトリートメントは、シャンプー後に水気を取り、毛先を中心に塗って3~5分間置き、しっかりとすすぎます。洗い流さないタイプのトリートメントは、タオルドライ後に毛先になじませてからドライヤーで乾かすのが基本です。
トリートメント後に蒸しタオルやラップで髪を包んだり、傷んだ部分に重ね塗りしたりすると、浸透力が高まります。トリートメントの使用量と頻度を守り、季節や髪の状態に合わせて使い分けてください。髪質はすぐには改善しませんが、適切にトリートメントを使用し、更年期でも美しい髪を保ちましょう。
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