更年期を迎えると、ホルモンバランスが変化し髪質が変わる方が多くいらっしゃいます。薄毛や細毛、抜け毛に悩む女性には、適切なヘアケアが重要です。この記事では、ヘアオイルの役割や、朝と夜の効果的な使い方について解説します。
記事を読めば、髪質に合わせたヘアオイルの使い方がわかり、ツヤのある若々しい髪を取り戻せます。ヘアオイルは単なるスタイリング剤ではありません。適量を正しいタイミングで使うと、髪を内側から補修し、更年期特有の髪の悩みを減らせます。
ヘアオイルの役割

ヘアオイルの役割は、以下のとおりです。
- 髪の保湿
- 髪のダメージ補修
- 毛束感やウェット感の演出
- スタイリングのサポート
髪の保湿
ヘアオイルは髪の保湿に効果的です。以下の効果があります。
- 髪の表面のコーティング
- キューティクルの調整
- 保湿のバリア
- もつれや静電気の抑制
適切に髪を保湿すると、パサつきやごわつきが改善され、ツヤのある美しい髪を取り戻せます。更年期になると女性ホルモンが減少し、頭皮の皮脂分泌量が減り、髪が乾燥しやすくなります。髪の乾燥は、パサつきや切れ毛の原因です。髪の内部の水分保持機能が低下します。
保湿成分を含むヘアオイルを使うと、髪に弾力性と柔軟性が生まれ、健康的な髪になります。毛先は乾燥しやすいため、重点的にケアしましょう。
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髪のダメージ補修

更年期を迎えると髪質が変化し、ダメージを受けやすくなります。ヘアオイルは髪の表面にあるキューティクルを保護し、摩擦による損傷を防ぎます。加齢や環境によってダメージを受けた髪の修復を促すため、薄毛や細毛に悩む方に最適です。ヘアオイルは髪の内部構造に浸透し、熱や紫外線から保護します。
タンパク質やケラチン成分を含み、枝毛や切れ毛の防止に有効です。
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毛束感やウェット感の演出
ヘアオイルを使うと、自然な毛束感を作り出し、髪に立体感が生まれます。細い髪や薄毛の印象を減らし、ボリューム感のある髪型になります。ショートヘアやボブスタイルに最適です。更年期に髪質が変化し、チリチリした髪になっても、ヘアオイルを使うとまとまりのある印象に変えられます。
スタイリング剤と組み合わせると、束感を持続可能です。
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スタイリングのサポート
ヘアオイルは、以下の点でスタイリングをサポートします。
- クセ毛や広がりの抑制
- 熱ダメージからの保護
- 指通りの改善
- 自然なツヤ感
- ボリューム感の演出
更年期になると、髪が細くなったり薄くなったりして、スタイリングが難しくなる場合があります。ヘアオイルを使うと、髪に適度な重さを与え、保湿効果で扱いやすくなるため、髪がまとまりやすくなります。
ヘアオイルの基本の使い方

ヘアオイルの基本の使い方は、以下のとおりです。
- シャンプー後にタオルドライする
- 手のひらに適量のヘアオイルを出す
- 体温で温めながら両手に広げる
- 毛先から髪の中間部までもみ込むようになじませる
- 手ぐしで全体に絡めてから乾かす
シャンプー後にタオルドライする
シャンプー後にタオルドライをすると、髪の水分量を調整できて、ヘアオイルの浸透が促進されます。髪をこすらず、タオルで包み込むように水分を吸収させます。マイクロファイバータオルを使うと、摩擦のダメージを軽減可能です。細毛やチリチリした髪の方は丁寧にタオルドライし、絡まらないようにしましょう。
抜け毛が気になる方は、強く擦って頭皮に負担をかけないよう注意してください。髪の水分は完全に取り除かず、約70〜80%取りましょう。完全に乾かすと、ヘアオイルの浸透が悪くなります。更年期の髪は乾燥しやすいため、水分を取りすぎないよう注意してください。
髪がぬれすぎているとヘアオイルが薄まり効果が減少します。適度に湿った状態が理想です。
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手のひらに適量のヘアオイルを出す
髪の長さによってヘアオイルの必要量は変わるため、髪質に合わせた量を選びましょう。以下が目安です。
- ショートヘア:1プッシュ(1円玉大)
- ミディアムヘア:2プッシュ(5円玉大)
- ロングヘア:3プッシュ(10円玉大)
更年期の方は髪が細くなりがちのため、最初は少なめにしましょう。髪質が細く柔らかい場合と、太く硬い場合では適量が異なります。初めてヘアオイルを使う場合、説明書に記載されている量よりも少なくしてください。
体温で温めながら両手に広げる

ヘアオイルを手に取ったら、両手でこすり合わせて体温で温めてください。体温で温めると、ヘアオイルの粘度が下がって柔らかくなり、髪への浸透力が高まります。更年期の髪は乾燥しやすいため、ヘアオイルを温めた方が保湿効果を発揮しやすくなります。ヘアオイルは、指と指の間も含めた両手のひら全体に広げてください。
髪全体にムラなくヘアオイルがなじみます。ヘアオイルが手のひら全体に広がると、香りが立ち上がり、リラックス効果もあります。冬場など気温が低い時期はヘアオイルが硬くなっている場合があるため、必ず体温で温めましょう。
広げすぎると量が足りなくなる可能性があるため、手のひらの中央から少しずつ外側に広げるのがおすすめです。
毛先から髪の中間部までもみ込むようになじませる
毛先は最も乾燥しやすく、ダメージを受けやすいため、最初にケアしましょう。以下の手順で行います。
- 髪を手のひらではさむ
- 熱で浸透を促す
- 上から下へ、外側から内側へなじませる
毛先から3分の2程度の位置までを意識します。毛先は乾燥やダメージが集中しやすいため、多めにヘアオイルをなじませてください。擦りすぎると摩擦で髪がダメージを受けるため、優しくなじませましょう。なじませ方は、髪の太さや量によって調整します。髪が細い方は軽めに、太い方はしっかりもみ込みます。
髪の量が多い場合、部分的に分けるとムラができません。
手ぐしで全体に絡めてから乾かす
ヘアオイルを手に取った後は、髪全体に均一に行き渡らせましょう。毛先から手ぐしで絡めるようになじませると、細毛や薄毛の方でも自然な仕上がりになります。下から上に向かって手ぐしをすると、髪の毛にヘアオイルがムラなく広がります。べたつきを防ぐには、毛先から中間部を意識しましょう。
手のひらに残ったヘアオイルも無駄にせず、毛先まで丁寧になじませてください。毛先は特に乾燥しやすい部分のため、しっかりケアすると枝毛や切れ毛を防げます。ヘアオイルを髪になじませたら、ドライヤーで乾かしましょう。熱を加えるとヘアオイルの浸透力が高まります。
乾かす際は、根元から温風を当てて、毛先に向かって乾かします。ドライヤーは10~15cm離し、最後に冷風を当ててください。
朝のヘアオイルの効果的な使い方

朝のヘアオイルの効果的な使い方は、以下のとおりです。
- ブラッシングの前に使う
- コテやアイロンの前に使う
- スタイリングの仕上げに使う
ブラッシングの前に使う
ヘアオイルをブラッシングの前に使うと、以下の効果があります。
- 摩擦によるダメージの軽減
- 静電気の抑制
- 切れ毛・抜け毛の防止
- もつれの解消
寝ている間に髪は乾燥し、寝癖やもつれが生じやすくなります。更年期を迎えた女性の髪は乾燥しやすく、細くなりがちです。ブラッシングだけで髪が傷む場合があります。事前に少量のヘアオイルを使えば、ブラシの通りが良くなります。
» 健康な髪を手に入れる!正しいブラッシングを理解しよう
コテやアイロンの前に使う

コテやアイロンを使う前に、熱から髪を守るためにヘアオイルを使いましょう。熱を当てる前にヘアオイルを塗ると、熱によるダメージが軽減され、乾燥も防げます。熱を均一に伝え、自然なツヤ感も出せます。コテやアイロンを使う約5分前にヘアオイルを塗ると効果的です。熱保護の効果が高まります。
スタイリングの仕上げに使う
スタイリングの仕上げのヘアオイルは、更年期世代の薄毛や細毛、チリチリした髪質の方に効果的です。以下の効果があります。
- 髪のまとまりやツヤ感を増やす
- 髪を自然な柔らかさに調整する
- パサつきを抑える
- 自然な光沢感を出す
- 日中も髪のまとまりが続く
- 髪へのダメージを防ぐ
香り付きのヘアオイルなら、さりげない香りを演出可能です。香りが強すぎると周囲に不快感を与える可能性があるため、控えめな香りを選びましょう。
夜のヘアオイルの効果的な使い方

夜のヘアオイルの効果的な使い方は、以下のとおりです。
- シャンプーの前になじませる
- トリートメントに混ぜて使う
- ドライヤーの前につける
- オイルヘッドスパとして頭皮からケアする
- 就寝前のケアに使う
シャンプーの前になじませる
シャンプーの前にヘアオイルを髪になじませる方法を「プレシャンプー」と言います。プレシャンプーの効果は、以下のとおりです。
- 汚れや皮脂を浮かせる
- 強い洗浄力から髪を守る
- 硬い髪に柔軟性を与える
- シャンプー後のきしみを減らす
プレシャンプーは、更年期の髪を守るうえで効果的です。シャンプーの5〜10分前にヘアオイルをなじませると、摩擦から髪を守れます。ダメージが気になる毛先を中心に塗りましょう。髪全体にヘアオイルを行き渡らせると、均一に髪を守れます。
アルガンオイルやココナッツオイルなどの自然由来のオイルは、更年期の髪に最適です。週1〜2回のケアとして取り入れると、髪質が改善されます。ヘアオイルの洗い残しがないよう、シャンプー後はしっかりすすいでください。
» シャンプーの正しいやり方を髪質別に解説!
トリートメントに混ぜて使う
トリートメントにヘアオイルを数滴混ぜると、保湿効果が増します。ヘアオイルとトリートメントを組み合わせると、髪の内部まで栄養成分が浸透します。トリートメント大さじ1に対し、ヘアオイル3〜5滴を混ぜましょう。手のひらでよく混ぜ合わせて、細毛やパサついた部分に重点的に塗ってください。
3〜5分ほど放置すると効果的です。週に2回程度行うと、髪のコンディションが改善されます。洗い流した後は指通りがよくなり、まとまりやすい髪に変わります。
ドライヤーの前につける

熱から髪を守るには、ヘアオイルをドライヤーの前につけましょう。使い方は、以下のとおりです。
- 少量(1~2プッシュ程度)のヘアオイルを出す
- 両手で温める
- 毛先から中間部へなじませる
- 毛先を重点的にケアする
更年期の髪は乾燥しやすいため、熱保護効果のあるヘアオイルは欠かせません。タオルドライ後、まだ湿り気がある状態が最適です。湿り気がある状態でヘアオイルを使うと、ドライヤーの熱による髪へのダメージを減らせ、水分の蒸発も防げます。髪の広がりやうねりも抑えられます。
更年期の髪は熱に弱いため、髪の健康にも重要です。更年期特有のチリチリした髪質も落ち着き、扱いやすくなります。
オイルヘッドスパとして頭皮からケアする
オイルヘッドスパは、頭皮の血行促進と乾燥防止に有効です。ヘアオイルを使ってマッサージすると、血行が促進され、健康な髪が成長しやすくなります。オイルヘッドスパを自宅で行う場合、ホホバオイルやアルガンオイルなどの天然オイルを用意しましょう。指の腹を使って頭皮に優しく円を描くようにマッサージします。
10〜15分程度のマッサージを、就寝前に行って朝までなじませるか、軽くシャンプーしてください。週1〜2回ほど継続すると、頭皮の環境が改善され、抜け毛を防ぎ、髪のハリやコシが増します。ラベンダーやローズマリーの精油を数滴加えると、リラックス効果もあります。
頭皮に合わないと感じた場合はすぐに中止し、専門家に相談してください。
就寝前のケアに使う
就寝前のヘアオイルは髪全体を保護する「ナイトケア」になり、以下の効果があります。
- 枕との摩擦によるダメージ軽減
- 髪の乾燥防止
- 寝ぐせの予防
- 頭皮の夜間修復機能の向上
- 翌朝の髪のまとまりの向上
1〜2プッシュでも効果的です。日中よりも髪に浸透する時間が長いため、朝のケアより効果が高くなります。週に2〜3回続けると、少しずつ髪質が改善されます。
ヘアオイルを使う際の注意点

ヘアオイルを使う際の注意点は、以下のとおりです。
- 使いすぎに注意する
- 頭皮には直接つけない
使いすぎに注意する
ヘアオイルの使いすぎは逆効果です。以下の問題が生じます。
- 髪のベタつき
- 不自然な光沢
- 毛穴詰まり
- 過剰な皮脂分泌
必要最低限の量から始めて、足りないと感じたら少しずつ追加しましょう。一般的な使用量の目安は1回当たり2〜3滴程度です。髪が細い方や軟毛の方は、さらに少量から試してください。オイルを手に取った後、残りすぎる場合は使いすぎです。
髪の長さや量、ダメージの度合いによって適した使用量は変わるため、髪質に合わせて調整しましょう。時間が経ってもベタつきが気になる場合は、軽く洗い流します。
頭皮には直接つけない
ヘアオイルは髪の毛専用のため、頭皮には直接塗らないでください。頭皮に直接つけると毛穴が詰まり、髪の健康に悪影響です。皮脂が過剰に分泌され、フケやかゆみが出ます。頭皮トラブルが悪化する場合もあります。更年期の女性は頭皮環境が敏感になっている場合が多いため、注意しましょう。
頭皮のケアをしたい場合は、専用の頭皮ケア製品が必要です。
» 頭皮の毛穴の詰まりの原因とケア方法
まとめ

更年期の髪トラブルに悩む方にとって、ヘアオイルは強い味方です。髪の保湿やダメージ補修、スタイリングのサポートなど、多くの効果があります。普段からヘアオイルを使うと、髪質を改善できます。ヘアオイルの使い方は時間帯によって異なりますが、基本はタオルドライ後に手で温め、毛先から中間部になじませましょう。
朝はブラッシング前や熱スタイリング前、仕上げに使うと効果的です。夜はシャンプー前のケアやトリートメントに混ぜる方法、ドライヤー前のダメージ防止など、さまざまな活用法があります。使用する際は適量を守ってください。使いすぎると髪がべたつきます。頭皮には直接つけません。
更年期特有の薄毛や細毛、チリチリ、抜け毛には、保湿効果の高いヘアオイルを選びましょう。髪の健康を取り戻すには、継続が重要です。正しい使い方でケアを続けると、ツヤのある健やかな髪になります。
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